新着情報

  • TOP
  • 新着情報
  • 【令和6年度最新】多様性が重視される現代において、人材育成やチームビルディングをする上で欠かせない「コーチング」#2-会社で活かせるコーチングスキル-

【令和6年度最新】多様性が重視される現代において、人材育成やチームビルディングをする上で欠かせない「コーチング」#2-会社で活かせるコーチングスキル-

2024.03.14

講師取材

沖縄経済を支える観光業の人材育成をサポートするため、企業や関係団体が研修講師・専門家を探すことのできるサイト「育人(はぐんちゅ)」。登録されている講師の専門分野は語学や社会人マナー、マーケティングなど多岐に渡ります。


以前のような終身雇用制や年功序列に起因したトップダウン的な組織のあり方が徐々に見直され、働き手の多様性が重視される現代において、育人で注目を集めている分野が「コーチング」です。


人材育成やチームビルディングをする上で有効とされるコミュニケーションスキルですが、どのような接し方を言うのでしょうか。育人に講師として登録されている福島さんにインタビューしました。(#1はこちら


ーー 改めて、コーチングとはどういったものなのでしょうか?

コーチングでは、基本的に何かを教えるということはありません。いろいろな定義があるとは思いますが、銀座コーチングスクールではパフォーマンス向上の為に、相手の中にあるものを引き出し、自発的な行動を促すコーミュニケーションスキルと定義しています。


相手がこういうことをやりたいんだ、とか、こういうふうな気持ちなんだ、ということを色々な視点の質問で引き出してあげることを言います。


ーー 引き出すために必要なことはありますか?


コーチングが機能するためには、コーチングをする側に求められることが四つあります。ピラミッドで表現すると、一番下の土台から順に「自己基盤」「コーチングマインド」「信頼関係」「コーチングスキル」になります。だから、一番上のコーチングスキルだけを磨いても、機能はしません。


4段目の自己基盤は、自分自身の可能性を信じられる自己肯定感などです。自分のことを信じることができてはじめて、相手の可能性を信じることができますので3段目の「コーチングマインド」も自己基盤が整っていくと機能することができるようになります。


2段目の信頼関係においても、自身の自己基盤がぐらぐらしていると感情に流されてしまったり、自身で立てた目標から逃げてしまうことがあります。そんな状態でコーチングをしますと言われても、受ける側の納得感や信頼性に欠けますよね。だから、まずはコーチングをする側の自己基盤を強固にするために、自身の強みや弱みを受け止め、その上でスキルを学ぶという過程が必要です。


私自身もまだまだ修行中ではありますが、コーチ仲間や周囲から沢山フィードバックを頂くことでより自己基盤の土台ができたように感じます。


ーー コーチングの受け手が、答えを教えられた場合と、自分で答えを導いた場合の違いを教えてください


動機付けが全然違います。人から答えを教えられると、どうしてもやらされ感が出てしまうので、結果として仕事が成功したとしても自分の自信にならず、失敗したら教えた人のせいにしてしまいがちです。でも、自分で答えを導き出した方法でその仕事に取り組んだ場合、成功したら自信になるし、仮に失敗したとしても、自分で決めた事だから次に向けた学びになるんです。


人間の脳は自分で意思決定した方がやる気が持続すると言われているので、自分で決めた場合、それをやらないとモヤモヤすることもあります。結果がどうであれ、得られるものは大きく変わってきます。


ーー コーチング研修を通して変化した企業の実例を教えてください


ある福祉施設に、6カ月間みっちり継続してコンサルティングを兼ねたコーチングをしたことがあります。コーチングを始める前は離職をする人が絶えなくて、経営者や管理職の方の中には「人材に投資をしても意味がないんじゃないか」と話す方もいました。


しかし、コーチングで質問を重ねるうちにだんだんと自己理解が進み、そういう後ろ向きの考え方が自分に染み付いてしまっていることに気付き始めるんです。そうすると、「今の自分でいいのかな」「事業を成長させるためにはどうしたらいいだろう」と課題解決思考に転換し、職員との接し方も変わっていきました。


いろんな事に対して否定的だった方が、優しさを身に付け、「人と関わるのが楽しい」と言うまでになりました。経営者や管理職が変わったことで、その会社は職員の定着率が上がり、離職率は24%低減しました。もちろん人材の育成はすぐに成果が出るものではなく、時間がかかりますが、その過程の中で得た学びや改善点を共有しながら、変化を後押ししています。


ーー コーチングはスポーツ界から始まったようですが、ビジネス界でも注目され始めた理由は何だと思いますか?


以前は終身雇用という働き方が根付いていたため、強いリーダーが言うことは絶対で、メンバーは「右」と言われたら右を向くことが当たり前でした。


しかし、今は多様性の時代です。縦よりも横や斜めの関係を大事にする傾向が強まり、従来の縦の関係が逆転する現象すら見られます。そのため、「右」と言われても左を向き、上や下を向く人もいます。だからこそ、一人一人の可能性を引き出すことができるコーチングは、個々の価値観や強みを活かしながら事業成長させることができるため、ビジネス領域に欠かせないスキルとなりました。


また米国調査会社のGallup社によると人は自身の強みを活かしたり、価値観を大事にしてもらえると会社に貢献したいと思える「従業員エンゲージメント指数」が3倍あがるという統計データもでております。その従業員エンゲージメントの向上は離職率の削減、収益向上にも直結する大事な指数でもあり、人的資本経営においても求められていることでもあるため、その起点にあるコーチングはやはり欠かせない要素となります。


ーーコーチングについて「明日から始められる」ことはありますか?


経営者や人事担当の方は、初めに「質問を変える」ことが取り組みやすいと思います。思考を変換させることはすぐには難しい部分もあると思いますが、質問の仕方を変えることはすぐにでもできます。なぜ質問の仕方が大事かというと、質問内容によって相手の感情を左右してしまうことがあるからです。


例えばマイナスの質問をしたら、マイナスな感情が生まれやすくなります。逆にプラスの質問である「今日はどんな学びがありましたか」などと聞かれるとプラスの感情が動き視野が広がりやすくなります。もちろん課題について話し合うことや自分の弱みに向き合うことも重要ですが、普段の会話であれば「良かったことはなんですか?」「何か学びはありましたか?」というプラスの視点に焦点をあてた質問をすると、された方は前向きな気持ちになれます。


もうすでに実践されている方は質問の引き出しを増やしてもいいですね。またこの記事を読んで少しでも実践をしたいと思って頂けた方は少しづつでもいいので、質問に意識を向けてみてください。


ーーワダチラボが実施する研修はどのような内容でしょうか?


弊社では昨年、年間で374件の研修に対応しましたが、1番人気がチームビルディング研修で、2番目がコーチング研修でした。チームビルディングを進める上でも、メンバーそれぞれの強みや可能性を引き出すコーチングが求められるので、とても需要は多いです。


弊社は研修と人事には欠かせない人事制度構築・運用の両輪で企業や自治体へ携わらせて頂いておりますが、継続的な関わりの中でもコーチングの要素を取り入れ、その組織の人材定着率の向上や事業成長をサポートしています。

コーチングはあくまでも「スキル」なので、誰でも習得することができます。ぜひ、多くの方に研修を通して学んでいただきたいです。



多様性が重視される時代、人材育成や事業を成長させていく上で重要性を増している「コーチング」の考え方。福島さんの話や研修、ワークショップに興味のある方は、ぜひ「育人」から講師派遣をお申し込みください。問い合わせリンクはこちら(https://okinawa-hagunchu.jp/lecturer/1268/


CLOSE

BACK TO TOP